流転

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俺は暗闇に向け、チビたマールボロを指で弾いて飛ばす。 炎の残像が細い放物線を描き、パッ。と、火花を散らして地面に爆ぜる。 俺は、全力で疾走り出した。 ここで、大通りの雑踏に紛れ込むのは余り得策とは言えない。 自らが、雑踏の混雑に掴まる可能性もあるし、暗殺が目的なら相手の姿を確認していない俺は、圧倒的に不利になる。 この辺りの地理に特別詳しい訳じゃないが、何度か立体地図でチェックはしている。 真っ直ぐ何ブロックか進めば、殆ど廃墟と化した一角があった筈だ。 先行している筈の追跡チームの裏をかいて、廃墟ブロックへと逃げ込む。 遮蔽物を使って視界を先に確保出来れば、追跡者達の規模や目的、所属する組織も判るかもしれない。
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