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ガタガタと騒々しい音で目が覚めた。
時計を見ると、まだ終了の時間にはなっていない。
泥棒か?
インストールの途中で何かあれば全てがパーになる可能性もあるのじゃ。
そんな事させてたまるか!
護身用に用意しておいた釘バットを手にして、研究室に入る。
ポカリス○ェットによく似た液体を満たした培養槽の扉が開いている。
…遅かったか!
風呂の方で物音がした。
(!)なんと彼女がシャワーを浴びておる!?
自ら抜け出したというのか?そんなバカな!
……にしても可愛いのぉ。
しばらくこのまま様子を見るか。 データ収集をしなくては!
「ったく!身体中がベタベタだぜ、あんな狭いトコ入れやがって!」
…言葉遣いは、あまり良くなさそうじゃ。
シャワーを出ると、ドカドカとクローゼットに向かい、服を選びだす。
こんなこともあろうかと、かなりの枚数のコスチュームを用意しておいた。
取り出したのは黒いメイド服だ!
あの娘のデータを使って正解じゃのぉ。
慣れた感じで着ていき、最後にニーソに手を伸ばし……履いた!
…グッジョブ!
私の科学する眼に狂いはない!!
服を着た彼女は、今度は台所へと向かう。素晴らしい!
早くも食事の支度か、メイドの鏡じゃ。
私は目頭が熱くなった。
ミサ君を作って本当に良かった!科学の神よ、ありがとう!!
台所に立つミサに近付く。
「さぁミサ君、私が君のご主人様じゃよ!」
両手を拡げ待つ私。
振り向いたミサ君の手には出刃包丁!
「何がご主人様だー!」
いきなり襲いかかってきた。
…やっぱりこうゆうオチか!非常停止ボタンくらい付けて措くべきじゃったか!
あの娘いったいどんな夢を見ていたんだ!
この時点で、私はまだ「ヤンデレ」という存在を知らないでいたのじゃ…
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