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「ため息吐くと幸せが逃げるんだよ?」
「誰のせいで吐いてると…」
「あ、この曲って最近よくテレビとかで流れてるよね」
人の話は聞くように。と小さく咎めてみても当の本人はお構いなしに喋り続けていて
「一万年と二千年前から愛してる。っていいよね」
「そう?」
「うん。僕もずっと…永遠に亀ちゃんの事、好きだから!」
「…永遠なんてないんだよ?」
軽々しくそんな事を口にするリュウタに目を細めるといつもよりもワントーン低い、些か冷たい声で言葉を紡いでいく
「永遠なんてものはない。永遠に…。って言う人は先の事なんて考えてないんだよ。人生は長いんだ、この先色んな事があるのに永遠に。ってどうして言い切れるの?
特に僕達、イマジンは最終的にはこのまま消えてなくなるかもなんだよ?」
一息にそう言ってやれば足を止めたリュウタに合わせて僕も足を止め、視線を向ける。
立ち止まったリュウタは俯くように下を見ていて、表情は帽子の下に隠れて見えない。
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