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なっ…なんなんだ
この女
いきなり叫びやがって
かなり大きな声だったのか近所の人が窓から顔を出す
「ア…アンタ…どうしたんだ?まさか怪我でも…」
吉岡さんが女の肩に手を乗せる
「ァァァァぁぁ゙──
触るな!!!」
本当なんなの
この女…………
「ォ…ォ前ヮ……私に触れタナ!!っ汚なラシい!バ…バイキンがウツル…!!」
吉岡さんに何のバイキンがあるんだよ
ぷっ…
少し笑ってしまった
戸惑いを隠せない吉岡さん───そりゃそうだ勝手にぶつかってきて、その上バイキン扱いだ
「…許サナイ…私を汚した…許さない…許サナイ…許さない…許サナイ…」
女は呪文のようにつぶやいている
「…バ…バイキンは…消毒シナイト……」
そう言いながら女はその場をフラフラと立ち去って行った
その女の背中を見たまま俺はボーッと呆然…
「吉岡さん気にしない方がいいですよ。あの女、頭おかしいだけですよ」
と俺は頭にクルクルと指を回す
「…そだな。ささっ続けるか」
──この時点では精神に異常がある女だと思ってた
生きている範囲のね……
──俺達はまた作業に戻った
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