◆日常

2/2
前へ
/80ページ
次へ
あの日からますます彼のことが、頭から離れない。 ときどき学内で彼の姿を見かける。 注意してみると彼はよく学校に来ていることが分かった。 ―サボってあまり来てないと思ってた。 友達に囲まれている彼は、 笑って――――――――いる。 あの日僕が見ることができなかった表情をしている。 けれど、ほんの一瞬あの哀しい瞳を見せるときがある。 「おい!」 後ろから声を掛けられた。 「あぁ先輩。何かありました?」 同好会の先輩がいた。 「あぁお前今、バイトってしてるか?」 「えっ、1つだけしてますけど…。」 「悪いんだけどさぁ、もう1つ増やせるか?今、ウチんトコ人手なくて困ってんだ。やってもらえねぇか?」 「先輩んトコのバイト先ってドコでしたっけ?」 「あー……コンビニなんだけどさ、そのナンだ、場所が悪いのかな?みんな、すぐやめちまうんだよ。」 珍しいな、先輩の歯切れが悪い。 「お店の場所ってドコです?」 「駅前の繁華街―――の奥。」 「繁華街の奥って確か………」 「あぁ」 ――――――――――ホテル街 「できるか?」 「大丈夫ですよ。」 「悪いな。そしたら今夜、一度店来てくんねぇ?店長に会わせるから。」 「はい!」 「ありがとな。こんどA定食おごるよ。」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

262人が本棚に入れています
本棚に追加