◆夜の街

2/3
前へ
/80ページ
次へ
先輩に頼まれ始めたコンビニのバイトにも、慣れてきた。 深夜になると昼間よりも、変わった客が多いことに、驚いた。 酔っ払いに始まって、どう見ても援交にしか見えないカップルだったり、とにかく驚きの連続…。 一番驚いたのは、出勤前のニュー○ーフの団体様。スゴイとしか言いようがなかった。 「いらっしゃいませー、今晩はー」 決まりきった文句も、大きな声が出るようになった。 深夜1時を過ぎ、店内も穏やかになった。 「ゴミ捨てはいりまーす。」 外へ出ると、いかにも“眠らない街”だ。 ゴミ箱の中を片付ける。 顔を上げると、よく知ったやつを見つけた。 彼だ―――――――。 隣にいるのは、見たことのない男だった。 そして二人はホテル街へ消えていったこと。あの、哀しそうな顔をして……。 においは感じられない。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

262人が本棚に入れています
本棚に追加