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すると次の受験者を呼びに来たのか、女性の試験官が名簿を見ながら部屋に入ってきた。
「番号147番、エアリス・アルファードさん」
突然呼ばれたためか、驚きのあまり勢いよく椅子から立ち上がる。
「ひゃい!」
部屋が一瞬にして静まり返り、静寂が部屋全体を包み込んでしまい、噛んだ本人はあまりの恥ずかしさに顔が茹蛸のように真っ赤になってしまった。
「実技試験の会場に誘導しますので、着いて来て下さい」
それからというものの、フィールドの入口である扉まにつくまでの間、彼女は落ち着きを取り戻すことはなかった。
そして、ここはフィールド入口の扉前。
「エアリス・アルファード!エアリス・アルファード!!聞こえているか!?聞こえているなら返事をしなさい!!」
エアリスは自分を呼んでいる声が聞こえると意識がハッキリとなり、どこにいるかが確認できた。
「エアリス・アルファード!大丈夫か?!」
少し若めの男がエアリスの両肩を両手で掴み必死に名前を呼んでいるのにようやく気付いた彼女は、コクコクと頭を縦に振ってそれに答えた。
男は安堵の溜息をつき、もう一人の若い男の方を向き、扉を開けるように指示を出した。
「最終確認をするぞ。エアリス・アルファード、準備はいいか?」
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