第一話 「試験」

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「はいはい、部隊入団試験を受けたい人はここで自分の名前の横にチェックを入れてください」 場所はペデスタル大陸、首都リベルバーグ。部隊マネージャの前はいつもより数倍の賑やかさだった。部隊マネージャが座る椅子の前には机が一つ。その机の上にはペン一本、そして大量の紙が山積みにされている。その紙には、『エルソード騎士団受験者一覧』とでかでかと書かれている。その紙に、次々へ自分の名前の横にチェックを入れていく人々。机の前には長蛇の列がある。その中に、とてつもなく挙動不審な男が一人紛れ込んでいる。 「うわぁ~、緊張してきた。たくさん人がいるし、皆強そうだし頭良さそうだなぁ~」 彼の目には、周りいる人々全員が強く見えてしまっているらしい。 「おい!後ろがまだまだいるんだ、早くしろクソチビ!」 「すっ、すみません!」 後ろにいた黄金色の防具を纏った男が少年を煽ると、少年はオドオドしながら机の前まで小走りで進んでいく。 「はい、ここにチェック入れてね。チェックを入れたら職事の控室に向かってください」 「は、はいっ!」 大声で返事をしたため、周りいた受験者全員が笑いを堪えていたが、数人だけは堪えられなかったのかクスクスと笑い声が聞こえてくる。
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