279人が本棚に入れています
本棚に追加
その応援に答えるため、MOBが出てくる出入口の方を向き戦闘体勢に入ったエアリス。
フィールドに障害物は一切なく真っ平な場所だった。今の所、彼女からはMOBの姿は確認できなく、ただただ標的となるMOBが現れるのを待つだけだった。
一分、二分と経ってもMOBの姿がどこからも現れず、試験官や試験を見に来ていた隊長達も戸惑いの表情を見せ始めた。すると、隊長等が座っている席に一人の兵が駆け込み、出入口に一番近い隊長に小声で何かを伝えていた。
その伝言を聞いた隊長の表情は一気に険しくなり、他の隊長達に事態の説明をした。そして…、
「集まって下さった皆様には申し訳ないが、緊急事態により今行っている試験は中止します」
突然のことに、観客席にいたすべての人達は驚きながらもその言葉に従うしかなかった。そして、観客席にいた人達が退出している最中に、試験が中止になった元凶が姿をあらわす。
バゴーン!!
MOBが出て来るはずだった場所の鉄柵が轟音と共に、何ものかによって反対側の壁に向かって飛ばされた。
「キャー!!」
最悪なことにその鉄柵が飛んでいく延長線上には、フィールドに残っていたエアリスがいたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!