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「あの隊長の経歴はすげーぞ?普通の人なら間違いなく首が飛んでる、もしくは暗殺されてるかのどっちかだろうな」
それを聞いたシリウスの表情は、興味津々そのものだった。
「それじゃ説明しようじゃないか。まず…」
「命令無視が計109回、騎士団を私的理由に使用したのが計38回…。まぁ、これは私が個人的に数えたものでね、正確にはもっと多いかもしれないね」
グレンの言葉を遮るようにデータを読み上げていく声は、二人が一度聞いたことがある声だった。二人が後ろを向くと、そこにはフィールドへ入る扉の前に立っていたあの男、バンが、メモ帳片手に立っていた。
「君達、非難命令が出ているのに何故ここにいるんだい?」
もっともな話だった。非難命令が出てから、既に十分は過ぎていた。周りにいたギャラリーは既に退去しており、そこに立っているのは二人だけになっていた。
「で、どうしてかな?」
バンはメモ帳をローブの内ポケットにしまいながら、二人に詰め寄ってきた。
「今フィールドにいるやつ…エアリスは俺らの仲間なんだ。だから心配でここで見てたんだ。なんか文句あるか?」
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