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グレンはバンを挑発するような言い方をするが、バンはそれを気にすることもなく、それどころか、笑っていた。
「ハハッ、さすがヒースの弟のだけあるな。第一印象で気に食わないやつに挑発するとこなんか、あいつそっくりだ」
「なっ?!てめぇ!よくも兄貴をバカにしたなぁ!!」
「ちょ!グレン落ち着きなよ!!ここにいた僕たちも悪いんだから、ねっ?!」
シリウスは、バンに飛び掛かろうとするグレンを後ろから取り押さえるが体格の差もあり、シリウスはずるずるとグレンに引きずられる形になった。
「とりあえずここから離れてもらわ…なくて良いみたいだな」
「「へっ?」」
「ほらっ」
バンが指差す先には、体中がボロボロにり虫の息状態のキマイラにトドメを刺そうとしているエアリスとジェイの姿があった。しかし、ジェイは杖を向けたまま何もせず、ただジッと今にも死にそうなキマイラを見ているだけだった。
「何してるんだ、あれ?何でトドメを刺さないんだ…」
「さぁ?なんでだろう…」
グレンとシリウスがその光景を見ていると、バンは先程の笑顔とは違い真剣表情でそれを見ていた。そしてバンが口を開いたとき、二人は改めて自分達がこの戦いの世界て生きることが大変なのか理解した。
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