キレイ色涙

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「道君、今日は最初から?」 「…多分」 ふーん、と興味なさそうに千佳は遠くを眺めている。 私が道を応援したくて、でも一人で行くのが嫌で、無理矢理付き合わせたようなものだからしかたない。 道は、うちの学校のピッチャーで、エース………ではないけど地味に活躍している。 昔からそうだった。 道はいつだって地味に、目立たない。だけど縁の下の力持ちでみんなを支えている。 私だってどれだけ支えられてきたかわかんない。 そんな道が 「見に来い」なんて言うから… 「里菜が気をもんでもしかたないって」 千佳が遠くを見たまま、独り言のように言った。 「そうだよね…」 私も、独り言のように返した。 .
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