キレイ色涙

3/7
前へ
/8ページ
次へ
「道君、今日は最初から?」 「…多分」 ふーん、と興味なさそうに千佳は遠くを眺めている。 私が道を応援したくて、でも一人で行くのが嫌で、無理矢理付き合わせたようなものだからしかたない。 道は、うちの学校のピッチャーで、エース………ではないけど地味に活躍している。 昔からそうだった。 道はいつだって地味に、目立たない。だけど縁の下の力持ちでみんなを支えている。 私だってどれだけ支えられてきたかわかんない。 そんな道が 「見に来い」なんて言うから… 「里菜が気をもんでもしかたないって」 千佳が遠くを見たまま、独り言のように言った。 「そうだよね…」 私も、独り言のように返した。 .
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加