Honey honey Sweet

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雪がふらふらと寄り道でもするかの様にしきりに降る朝。 今日は早く目が覚めた。 着替も弁当もスムーズに作り終り、洗濯までしてした。 もう、家に居てもすることがなくなってしまった。 雪も目処がついたのか少しおさまって来たようで。 どうせ行かないとダメなのだから、少しくらい早くついても変わらんだろう。 と、今日は気分を変えて雪を見ながら徒歩で通勤することにした。 ザクザクとまだ誰も踏んでいないらしい雪を鳴らしながら歩く。 いつもと同じ革靴なのだが雪が降るだけでこれほどまでに気分が違うのか。 少しながら感動しつつ、いつもと同じ学校までの道を歩く。 何だか今日は甘い香りが漂っている。 そういえば2、3日前、ニュースで、バレンタインが近いですね。なんて言っていた気がする。 そうか、今日がバレンタインデーか… 女性がドキドキ…否、男性もドキドキするようだが… 教師である以上、期待することは出来んだろう。 貰えて義理チョコだ。 ドキドキする生徒を見るのもなかなか楽しいのだが、甘い香りが充満する教室で授業だなんて、中々酷な話だ。 否、極度の甘党の銀八なら喜んでするだろう。が、授業せずチョコをたかるところが、目に見えるようだ… 銀八はあんなだけども、男の自分が言うのもなんだが、顔の作りは悪くない。 義理…否、へたすると本命も貰えるかもしれない。 晋助もまた然り。 性格はよろしいとは言い難いが顔は良いのだ。 きっと本命が頂けることだろう。 そういえば陸奥も女なのに、女生徒から人気があるように思えたが…どうなのだろうか。 後で聞いてみるのも悪くない。 なんてぼんやり考えながら歩いていると背中に衝撃。 何事かと振り向く前に目の前に銀景色に溶け込む様な銀髪。それの下には死んだ様な目。 ああ…銀八か…‥‥ こんな早くに会うなんて珍しい… 「なんちゃあ。金時早いにゃあ」 「銀時な、一文字もあってねぇから。 てか人のこと言えねぇだろーが」 寒いのか、ぶるりと震えてマフラーの端を引っ張っぱる。 「ぐえ、何するが。首絞まるネヤ」 「うっせぇ、さみぃんだよ。マフラーぐらい貸せ」 何ちゅう無茶言うやか。 くいくいと少しは加減しているのかマフラーを引く力が弱まった。 そんな銀時の頬や耳は、寒さで可哀想な程真っ赤になっていた。 毎度毎度、防寒具を身に付けないからそうなるのに…学習しない。
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