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「おはよー、ショウ」
グウッと伸びをし、欠伸を噛み殺しながらアリスは平然とそう言った。
パニックには陥らなかった変わりに、思考が一瞬停止した。
えっと、俺は何をしてたのかな?
今、アリスがまだ寝ぼけ顔で寝転がっているベッドの上にさっきまで俺は居た訳で……。
多分、過ちは犯してないだろう。そう願たい。
不意にアリスがこちらに背を向けた状態で、ベッドから立ち上がった。
その時、アリスの肩に引っ掛かっていたタオルケットが冷えたフローリングの上に落ちた。
目に飛び込んできたのは、白磁のような真っ白な肌、それに対比する色の黒い下着、それらが普通に見えてしまうスケスケのネグリジェ姿だった。
その光景のせいで頭の中で理性と煩悩の戦いが繰り広げられる事になった。
と言っても煩悩が俄然有利。
始まった時から理性側は兵糧責め10日目ぐらいに追い詰められている。
アリスはそんな俺の葛藤を余所に恥ずかしがる素振りを一切見せずに近付いてきた。
俺の理性は限界寸前だ。
そこにワザとかは知らないが、上目遣いで「どうかしたの?」って聞いてきた。
これでまだ理性を保っている自分を褒め称えたい。
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