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「なぁ、アリス、俺ってどうしてここに居るんだっけ?」
「ヒドイ!昨日の事、忘れちゃったの?」
昨日……、昨日……。
思い出せないな。
痛ッ!
何だ?鈍い頭痛がする。
「その顔は本当に忘れちゃったみたいね。良いわ、思い出させて、ア・ゲ・ル♪」
アリスは俺をベッドに押し倒した。
前にも押し倒されたな、保健室で。
あん時は、『血性人格』の方だったけど。
「ちょっ、ちょっと待て、何をするつもりだ?」
「そんな事聞かないでよ、決まってるじゃない」
フフフと妖艶にアリスが笑っている。
どうしようかな?
魔瞳を使って無理矢理にでもアリスを押し退けるべきだろうか?
俺に馬乗りになっているアリスは息荒くこっちを見て、喉を鳴らした。
「ハァ、ハァ、ショウ、わたし、もう我慢出来ない」
ガブッ
アリスは俺の首筋に牙を深々と沈めた。
あぁ、我慢出来ないって血の事ですか。
予想してなかった訳じゃないけど……。
アリスが血を吸えば吸うほど不思議と頭の中がスッキリして、思考がクリアになっていく。
これなら昨日の事とか思い出せるかも。
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