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「ところでさ、翔はこれから予定あるか?」
低かったテンションが此処で急に上昇した。
この暑さでこのテンションは正直、ウザい。
「……ないけど」
「そっかぁ……ないのか」
「なんだよ、気持ち悪いな」
「放っとけば良いよ」
津田がいつものごとく突然話し掛けてきた。
「どうしてだ?」
「どこかの女子とデートの約束取り付けたらしいよ」
「だから、あんな調子なんだ」
納得しかけたその時に叫び声が聞こえた。
「龍也~~~~!!」
藤野さんの怒った声が響きわたった。
教室の戸を壊れるぐらいの勢いで開けて藤野さんは入ってきた。
「あ~~、藤野、ウチはまだ終令が終わってないんだ」
担任の川崎が困ったようにこっちを見てきている。
「先生、ご心配なく。コレを借りていくだけですから」
川崎に有無を言わさず真下が藤野さんによって連行されて行った。
少しも可哀想に思えないのは真下にいつもの行動のせいだろう。
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