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「なかなか酷い冗談言うんだね、望月って」
「冗談なんかじゃないぞ、マジだ」
子豚が涙ぐんでこっちを見てる。
だが、そんな事は知らん。
俺が子豚を嫌ってるのは事実だ。
ガシャンと俺の机で音がした。
子豚が俺に向かって投げてきた試験管が届かずに机に当たって破砕した音だ。
ジュウ~
割れた試験管から零れた液体が俺の机を黒変させて穴を穿っている。
何これ、濃硫酸か何かか?
ヤバいだろ、ヤバ過ぎだろ。下手したら死ぬぞ、コレ。
子豚は俺を殺す気なのか?
子豚が同じような試験管を3本をむしゃらに投げてきた。
ガシャンと試験管がまた割れる音で教室内が阿鼻叫喚と化した。
幸い、人には当たってないが物的な被害が大きい。
机4つの破損と床の焦げ痕。
危険物所持及び器物破損という事で子豚は別れの挨拶も完璧に終えないまま川崎に理事長室に連行されていった。
高一の一学期はこんな事で終わった。
いや、終わってしまった。
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