第1章 姫と下僕

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「無事、還ったようじゃ。いずれあのモンスターも命の連鎖に還るじゃろう。 姫様、お疲れ様でした。」 「ええ、よかった。では今日の釈明と浄化が終わったので部屋に戻りますね。ちょっと疲れたし。」…説教される前に戻らなきゃ、じいやの話はそれでなくても長いのに……。そう思いドアを目指す。 その背中に、 「そうですか、ゆっくり休みなされ。そうそう、姫様お疲れでは明日は一日城でゆっくりすごされますな?ならば、今日延期になった会食会はいかがですかな?。」 しっかり、釘を指すのを忘れず ……抜け出す気、まんまんだったシルは、次の日 神官長との会食会に出席となった。 会食会、その後のお茶会という名のじじいの説教会に付き合わされたシルが自室へ戻ったのが、夕日が窓から射し込む時間だった。 「おかえり、今日はずいぶん長かったのな。」 「ただま、つかれたー。」そう言ってソファーに体を投げ出す。 「マル男、イチゴあめ持ってきて。」 イチゴあめは姫の気に入りだ。疲れた時には特にうまい、とかで食べている。まー 疲れていなくても食ってるが…。 「……イチゴあめーは、…。」 俺は、背中に嫌な汗が流れてきた。 実は、チョコを食った時それも食ってしまったからだ。 「えーと、…出張中?」 「はぁ? 何わけわからない事言ってる分け?さっさと持ってきて…って まさか?。」 「あ…あまりにうまくて、つい全部…。」 俺の口から乾いた笑いが出てくる。 あぁ、姫の表情が、どんどん険悪になっていく…。 「ほぉ?下僕の分際でご主人様の物を盗み食いとは、いい度胸ね? 覚悟は出来ているんでしょうね?」 …怖っ。 逃げ出す俺の首根っこを掴み魔法で縛る。 「しつけ、しなおしだわ。」 姫の目が怪しく光り、 その後、セバスが夕食の知らせに来るまで踏まれ続けた。 ……教訓、食べ物の恨みは恐ろしい…。 第1章 おわり
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