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店の名前は、
『カフェ・シンフォニア』姫の一番気に入りの店だ。大きなドアを開けると、コーヒーの薫りが、広がった。
「いらっしゃいませ、サファイアちゃん。今日も元気そうだね」
カウンターの中から声をかけてきたのは、この店のマスターだ。
「こんにちは、マスター」
そう言いながら、カウンター席に座る。
サファイア…姫のセカンドネームでもあり、モンスターハンターとしての名前だ。
ランチには、少し早い為か、客はいなかった。
「今日の朝市で、新鮮な茸が手に入ったんだ」
大きな茸の塊をカウンターの中からみせる。
「そうなの?では、茸のおすすめランチとカフェオレをお願いします」
「かしこまりました」
今日の天気は、どうだとか、隣の家に子猫が産まれたとか、世間話をしながら、料理を作っていく。
しばらくたつと、店に美味しそうな香りが広がった。
「おまちどうさま、茸のパスタ温野菜添え と カフェオレです」
パスタの上に 彩り鮮やかな野菜が並べられ、見た目も綺麗なランチの出来上がりだ。
「おいしそう、いただきます♪」
一口頬張ると、茸の良い香りが口いっぱいに広がる。
「そんな顔をして食べてもらえると、私も作りがいがありますよ」
それから、また世間話をしながら、食事を進める。
あらかた食べ終わった所で、マスターが話を切り出した。
「サファイアちゃん、ここ2~3日西の門近くにモンスターが出るそうなんだ。昨日きた旅のお客さんが、命からがら門に飛び込んだって話をしていったんだ」
その話を聞いたとたん、姫の表情が引き締まった。
手をあわせて、ごちそうさまをするとすぐ立ち上がる。
「サファイアちゃん、今から行くのかい?」
「ええ、早い方がいいわ。犠牲者が出る前に…。」
「じゃあ、おやつの時間位には終わるね。特大のパフェを用意して待ってるよ。」
「楽しみ~♪ じゃ マスターいってきます。」
軽く手を振ると店を後にする。
路地裏に回ると、ピアスから俺を呼びだした。
「マル男、西門近くまで一気にとんで。」
「わかった、行くぞ。」
魔方陣を作り、西門近くまで転位した。
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