春一番、吹きまくる

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―次の日の放課後 私は今にも死んでしまいそうな顔で屋上に佇んでいた。放課後なんてアバウトな時間指定されたんだからと早く来たら、早すぎたらしい… 屋上の冊に指を絡めて下を眺める。端から見たら自殺しようとしてる人みたいなんだろうなぁとか暢気に考えていたら、ドン!と勢いよく扉が開いた。 「早いな…」 あぁ…来ちゃった… 大きく深呼吸して振り返ってみると吉沢はどこか照れた面持ちで、片手はズボンに突っ込みもう片方の手で頭を軽く触っていた。 「…………で…昨日の件…」 早速出された話題に私は大きく息を吸ってこう答えた。 「……やっぱりいきなりって…どうしていいのか分からないので…出来ればお友達からがいいんです…が…」 どんどん語尾が小さくなる。私が言うべき事は言った。 「……………」 吉沢はズカズカと近づいて来るとおもむろに手を差し出して来た。 「あの…これ、は?」 吉沢の手の中にはガラスで出来た淡いピンクの華のトップがついたネックレス。 「やる」 「え、もらえな…」 ―ジロ… 「………ありがとう…ございます…」 吉沢は私がお礼を言うのを確認すると無言でネックレスを私に付けた。 「お前の気持ちは…分かった。俺…別にフラレたわけじゃねぇよな…」 ネックレスを付けたままの近い位置で問いかけられて思わず言葉を飲んだ。 怖いからじゃなく、吉沢があまりにも真面目な顔で問いかけて来たから。 「まだ望みはあるって事だな?」 「え………まぁ…そういう事…かな…はい…」 そんな至近距離で真面目に聞かないで欲しい…付き合う事なんて考えていなかったから、困る… 「よし。じゃぁ付き合いを前提に…付き合え!」 「………はぃ?」 「友達以上、恋人未満…しばらくこれでつるんだりして、付き合えないようなら…言ってくれ」 こいつはアホか…今ですら友達以下なのに… でも…ちょっと顔が赤い吉沢を見ているのは悪い気はしない。 …だから… 「分かりました…」 って言っちゃったのも仕方ない… 「そうか…良し、帰るぞ!」 「え?」 「友達は一緒に帰るもんだろう」 「でも、私っ」 のりちゃん達と…っていう言葉はでてこなかった。睨まれたから… 私は仕方なく靴を取りにいくついでに3人に謝り校門で待つ吉沢の元へと走った。
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