地味って最高

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「へ?じゃなぁい。さっき後でねって言ったでしょ~?」 ―いや、あれはあの場の挨拶でしょ? 頬をぶ~っと膨らます春にどうしていいか…第一、こういう春みたいな明るいギャル(男だけど)は今まで上辺の会話しかしたことない。必要以上に話さないというか、話たところで話が合わないし… 「そうだけど…ほら、もっと別の子と帰ったりしなくていいの?山田君とか」 「悟?悟ももちろん一緒よ~!」 「…………あのね、私のりちゃんと帰る約束しちゃったの」 「のりちゃん?」 「そう」 苦笑いを浮かべて頷けば春は華のようにフワリと笑って 「いいじゃん一緒に帰れば~♪ね、いいよね悟!」 そっち!?そっちに確認とるの?! 春がまだ席にいる山田君に問いかけると、当然話の流れを知らない彼は小首をかしげながらもウンと頷いた。 あんたも話分からないのに頷かないでよ…… 「で~、のりちゃんもいいよね?」 春は相変わらずニコニコしながらのりちゃんに問いかける。 あんた…そんな強引に言われて嫌なんて……… 案の定、のりちゃんは苦笑いしながらもコクリと頷いた。 一体、春にどこを気に入られたのか分からないけど4人で帰る事に… 「ごめんな、本当は二人で帰る予定だったんだろ?」 合流した山田君はさっきの春の問いかけの意図を理解して小さく「悪いな」と謝ってきた。 「い、いいよね!香緒ちゃん!大勢の方が楽しいしっ」 「え…あぁまぁ………」 「そうか」 どこか落ち着きのないのりちゃん…やっぱりこの二人は苦手タイプなのかしら……… 「ねぇ悟~、おなかすいた~」 「は?家まで我慢しろよ…」 「い~ま~!」 山田君の腕を掴んでブラブラ揺らす春に山田君が小さくため息をつく。 「ね、ねぇ!よかったらだけど…私達これからご飯食べに行くの…春野君も山田君も良かったら一緒に…」 「のりちゃん!?」 「え!本当に??やった~♪いいよね!悟!」 春がピョンピョンと飛びはねながら山田君の腕にぶら下がる。 てか、のりちゃん…何を言い出すのよ… 目をパチクリさせているとのりちゃんはそれに気づいて二人に聞こえないように『お願い…』と伝えて来た。 ど…どういう事………??
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