地味って最高

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「俺は…二人がいいっていうなら…いいのか?」 「いいよいいよ!ね?香緒ちゃん!」 「う……うん…」 のりちゃんの勢いに押されて頷くとのりちゃんはどこかホッとした表情を浮かべた。 「で~、どこ行くの??」 「学校の近くに、安くて美味しい喫茶店があるの…料理もデザートも美味しいよ」 のりちゃんの言葉に更にテンションを上げた春は「早く早く」とはしゃいでいる。 「こっち…」 案内を始めるのりちゃんの横へ移動するとこっそり問いかけてみた。 「ねぇのりちゃん、どういうこと?」 「え?」 「とぼけても駄目よ…」 「じ…実はね、私…あの二人と同じ中学なの…クラスは一緒になった事ないんだけど……その…山田君…格好いいなって思ってて…」 なるほど………でものりちゃんって、見た目とは裏腹に結構積極的なタイプなのね… 「同じ高校行くってきいて入ってみたら同じクラスで、よかったなぁって思ってたら一緒に帰れるってなって………ついつい…ごめんね?」 「ん~ん、いいよ…そういう理由があるなら応援する。それに…仲良くなったらなったで美味しいし」 「何が??」 「え、や…アハハ…ほら…二人共、すごく美形だから友達になれたら鼻が高いじゃない?」 まさか二人で妄想するため……とも言えず答えると、のりちゃんも「そうだね」と笑ってくれた。 「も~、二人で何をコソコソしてるの~…」 春が私とのりちゃんの間に割って入るとさっきまで山田君にしていたように今度は私の腕にしがみついてきた。 こんな激しい表現には馴れていなくて本当どうしていいか…こうされて「ご~め~ん~☆」とか言いながらハグしかえすほどのテンションも持ち合わせてないのよ!てかどうせなら山田君に抱きついてちょうだい!!私に美人が抱きついても何も萌えないの!! 「こら浩輝!加藤が困ってるぞ!」 「なんでぇ?香緒困る??」 「ちょ…ちょっとね…今までこんな強烈な友達いなかったし…」 「………そっか~!うん!!」 春は可愛らしく笑って更にギュゥギュウとしがみついてきた… わ、分からない!この子の扱い方!誰か説明書をちょうだい!!! 「あ!春野君!あそこだよ!!」 のりちゃんが慌てたように小さな木造の店を指さした。緑の屋根が可愛らしい…ハイジの住む小屋って感じかしら… 入口には木彫りのウサギが看板を抱えている。 『うさぎ』 ………そのままなネーミングだわ………
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