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「超~可愛い!!こんなお店あるの知らなかった~!」
春は我先にと店の中へ飛び込んだ。
ようやく離れた腕に安心しながら春に続いて店の中へ…
「いらっしゃい」
「こんにちは」
「のり子ちゃんじゃないか、お友達かい?」
カウンターの奥から現れたのは30代後半かな?やけに穏やかな顔をした男性。のりちゃんと知り合いなのか二人は軽く会話をしていた。
「早く~」
先に入った春が窓際の席に座って手を招いている。
「浩輝、店の中で大声出さない」
山田君がたしなめても春は右から左にながしてメニューを広げていた。
「ゆっくりしていってね」
「はい」
のりちゃんが席へ歩き出したのを見て私も移動する。春と山田君に向かい合うように座って私もメニューを見た。
洋食から和食、結構なメニューが並んでて、何を頼もうか迷っちゃう。
「私、カルボナーラとドリアと~後は唐揚げ定食にアイスココア~♪」
「春、そんなに食べるの?」
「うん!お腹すいたし~」
「お腹すいたって限度が…」
「こう見えて一応育ちざかりの男だしな、浩輝。俺は焼肉定食かな…」
「も~そういう事いわないでよ~」
そ…そか…春は男の子だもんね…ていっても食べ過ぎな気がするわ…
「香緒はどうするのぉ~?」
…私こういうの中々決められないのよね…
「ん~…どれにしようかな…」
「私、オムライスにする、香緒ちゃん迷うようならオムライスがお勧めだよ」
「そうなんだ…じゃあ私も…」
「そうなの?来たら私にも一口頂戴~!」
「分かったから…」
本当、どんだけ食べる気かしら…
一通り決まると山田君が軽く手を上げウエイターを呼んでくれた。
「のりちゃんってお店の人と知り合いなの?」
「うん…親戚のお兄ちゃんのお店でね、さっきの人はマスターの吉沢太郎さん」
「そうなんだ」
「いいかんじのお兄さんだよね~あぁいう落ち着いた感じの男の人って良いよね~♪」
「っえぇ!!?」
「何よ香緒っ」
「春ってあんな感じの人がタイプなのかなって~…」
「「「え?」」」」
………………は!!!しまった!!!つい口走った!!!
「…………アハハ!香緒面白い事言うからビックリしたじゃん!私がいってるのは理想っていうか~、憧れ?あんな感じになりたいって事~♪」
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