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そんなわけで私は一時間かけて学校へ通おうと駅へ向かった。
駅に到着してみるといかにも新入生な感じの子達がいっぱいで、私もその中に混じる。
後3分で学校の近くの駅まで私を運んでくれる電車が来るっていう時だった。
「んだとテメェ!」
という怒声と共に背中にドンという衝撃が襲ってきた。
「いったぁ…」
あまりの衝撃に前のめりに倒れ込む…自慢じゃないけどここで踏ん張るとか前に行く勢いで前転しながら格好良く体勢立て直せるほど私は運動神経もよくないの!!
―何なのよもう!!
私は四つん這いになったままキッと後ろを振り返った。転んだ女の子がいるのに倒した本人何をしてんのよ!
でも振り返ってちょっと後悔…
そこには鬼のような形相をした銀髪の男が立っていたからだ。
「っってぇなぁ!!」
真横からさっきの怒声が聞こえて思わずビクッと身を竦める。少し横を向けば今度は茶葉の眉毛激細の不良が尻餅をついて今まさに拳を握りしめて飛び掛かろうとしていた。
どうやらこの激細眉毛が殴り飛ばされて私にブツカッタんだろう…だから私の周りには誰も手を差し出して助けてくれる人もいなくて…むしろこんな恐い二人の喧嘩に近づける勇気のある人がいなくても当たり前というか仕方が無い事で、やってきた電車にみんな我先にと乗り込み無情にも出発した電車の中で安堵の表情を浮かべていたとしても誰も責められない…
―ガツッ
と鈍い音がしたと思えば私の横にまたさっきの激細眉毛の男が転がってきた。
「ひぇっ」
思わず変な声だしちゃった…
激細眉毛は相当強く殴られたのかさっきの勢いとは裏腹に伸びきっていた。
「オイ…」
―この激細眉毛…耳も口もピアスだらけだ…痛くないのかしら…でも良く良く顔見ると可愛い系ね…もったいない…
「オイ!!」
「はぃぃいっっ!!」
馬鹿な観察していたら私の背後にいた銀髪が私の横でしゃがみ込んで話かけていた。
そちらへ目を向ければ銀髪男がやっぱり恐い顔をして私を睨んでいた…
―ぼ…ボコられるのかしら…それともカツアゲ!?とろくさそうな顔の私は遊ぶには使えないからってなけなしの今月のコミケの衣装代をカツアゲするのかしら…
逃げなきゃ!とか思うけど、こんな目付きの悪い男に睨まれて逃げられるほど私は勇敢じゃなかった。
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