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「もぉ!香緒何いってんのよ!ただでさえ香緒は地味なのに、私服の先輩の横にそのまま並んだら本気で月とスッポンじゃない!むしろ、月とミジンコ?」
「言い過ぎだぞ…」
「でもぉ、悟だってデートするなら少しでも可愛くあってほしいでしょぉ?」
「まぁ…多少はな…」
春は「決めた!」と叫ぶと私の顔の前にフォークに刺したタコさんウィンナーをつきだした。
「今日の帰りの先輩との下校はキャンセル!明日は8時に学校集合!」
「はぁ?」
「今日は明日の勝負服買うの!明日はうちでメイクしてあげるからぁ、それからデートね!」
「いいよ…そんな…」
「だめぇぇ!ミジンコになってもいいのぉ?」
「だいたい…帰りだってどうやって断れば…」
「任せてよ香緒★携帯貸して」
春の勢いに押されて携帯を渡すと、春はすごい早さでボタンを押して…それからすぐに携帯から運命が流れてきた。
「ほらぁ、大丈夫♪」
パチンとウィンクされて携帯を受けとれば、そこには吉沢からのメールで『分かった。俺も』の一言が…
「ちょっと春、何て送ったの…よ…」
『先輩へ☆
今日は、明日の準備がしたいので、ごめんなさい(>人<)一緒に帰れません!(ρ_;)
でも、その代わり明日は先輩もビックリするくらいオシャレしていきます(*^o^*)
明日が楽しみです(o^∀^o)』
「ちょっと春!何よこのメール!私、こんなメール打たないし、第一ビックリさせられるほど変わるわけないでしょう!」
「えぇ…これでも地味目に送ったのにぃ…てかぁ大丈夫~私を信じて☆ミジンコからネコくらいにはしてあげるから♪」
ね!と、楽しそうに同意を求められて、思わず乾いた笑いが洩れた。
ミジンコは所詮、ミジンコなんだけどね…
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