地味って最高

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「お前、学校一緒だろ…送ってく」 「…はい?」 「怪我したの俺のせいだし」 立ち上がって、銀髪男の言葉に耳を疑った。 同じ学校っていう言葉にも…後、送るという言葉にも…確かに、ネクタイ付けてない付けてなくてブレザーも着てなくてズボン下がってるけど、カッターについてる校章はうちの学校の物だ… ―って、送るなんて冗談じゃない!! 今ですらこんなに気を張ってるのに、学校まで一緒なんて、耐えられるわけない!断らなきゃっ 「あのっ」 「電車来た」 「あのっっ!!」 「あぁ?」 「………………………はは…いえ…なんでも……」 ―睨まないでよっ!!(泣) 銀髪男はフイッと視線を反らすと何食わぬ顔で私の腕を掴んだままホームへ入って来た電車へと私を連れて言った。 あぁ…この状況…周りからはどんな風に見えてるんだろう…新たに集まって来た他の客は銀髪男を避けるように電車に乗り込んでいる…通勤時、さすがに座る所はなくてドアの近くに立つ。 ―視線が痛い…… 思わずうつ向く…どうしてこんな事に…… 「足痛いのか」 「ぃぃぇ…」 ―周りの視線が痛いんですよ… 気付かれないように小さくため息をつく… 怪我を手当してくれたり、気を使ってくれてるところを見るとそこまで悪い人じゃないってのは分かるけれど、これで知的で優しそうな普通の人なら素直にいい人だと思えたんだろうけど、その親切心を全て打ち消すようなこの人相の悪さと銀髪相手じゃ、一般庶民、しかもチキンの私には良い人だと思う事は…無理に違い。 もう一度小さくため息をついた時に銀髪男の右手に血が滲んでいるのに気がついた。 さっきの喧嘩のせいかしら… 私は鞄に掴まれていないほうの手を突っ込むとガサガサと漁った。 ―あった… 鞄から小さめのバンドエイドを取り出すと、あの…と小さく呼びかけた。ジロっと視線を向けられて思わず言葉を詰まらせるけど一応色々面倒を見てもらったわけだし…(ていうか、面倒かけられたのかも…) 「手、すりむいてるから…」 付けるには不釣り合いかもしれないけど花柄ね小さなバンドエイドを銀髪男の手にそっと付けた。あんなクマのハンカチ持ってるくらいだから花柄くらい気にしないだろう。
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