地味って最高

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何も反応が無くてチラっと顔を伺うと銀髪男はジッとバンドエイドを見ていた。 「ご…ごめんなさい…こんなのしかなくて…」 アハハと渇いた笑いを浮かべながら告げると「別に…」とだけ告げられ顔を反らされた。微妙に頬っぺたが赤い気がする…さすがに花柄は恥ずかしいかったんだろうか……。 そんなこんなで、今に至る。 あれから学校まで会話は一切ない…かろうじて駅から出た時に腕だけは放してもらっていた。 始業式早々…平凡に暮らしたかったのに………バッチリ周りの生徒に見られて…変な噂が立ったらどうしてくれるのよ…… 学校についてどうしたものかと考える。相手も同じらしく校門でピタリと足を止めた。 「あの、私…新入生の受け付けしなきゃいけないんで…ここで…ありがとうございました…」 ヘラリと不器用に笑って見せると銀髪男は何かを考える素振りを見せて一言。 「…俺のクラス、2-Aだから」 そう言って歩いていってしまった。 ―は…??どういう事よ… いきなり告げられたクラスにポカンとする。ふと足元のハンカチを見て返せって事かと納得して、また落胆した。また会うって事じゃない…しかも上の学年で自分から訪ねなきゃいけないって事……? ―無理っ…………!! 泣きそうだわ…だいたいどうしてこんな普通校にあんなのが通ってんのよ…そんなの聞いてないっ… 今度は誰を気にするでもなく盛大にため息をついてトボトボと受け付けへ向かって歩き出した。 受け付けを済ませて自分のクラスへ。教えてもらった場所を確認して、1-Aの文字を確認して後ろのドアをガラガラと開けた。教室の中は同じ中学からの連れなのか、微妙にグループができて固まっていてそれなりにさわがしかった。騒がしかったのに、私の顔を見て一瞬シン…としたのだ……… いきなりの苛めかと思うような仕打ちに下がっていたテンションが更に下がる。いくら見た目が地味だってそんな反応されたのは初めてだった。 でもよくよく見ればみんなの視線は軽蔑…というよりは困惑といった感じ。 嫌な雰囲気にまたため息をもらして自分の席へ…ラッキーな事に私の席は窓側の一番後ろ。ラッキーを喜べない気分だけど… 今日一日で何回ため息をついたか…私の幸せ返してよね… 頬杖をついてボケっとしていると前の席に髪を弛く巻いた女の子が椅子に反対向きで座った。つまり私の方を向いて。
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