地味って最高

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要するに、見た目同様やっぱり私が避けるべき人物リストの一位に名前をのっけるべき男… 「だから、新入早々先輩と仲良く登校なんてしたら先輩に目つけてる女に何されるか分かんないし~…関係無いならソレ早く返して寄らず触らずが一番よ~?」 春は私の膝に巻かれたハンカチを指でさしてニコリと笑った。 「そうだな。触らぬ神に祟りなしっていうし…」 山田君は腕組みしながら神妙な顔して頷く。 「まぁ、朝結構目立ったわりには香緒地味だし、すぐに騒ぎも納まるよ~相手にするまでもないってね♪」 「あはは…そ、そうね…」 春はフォローを入れてくれてるのか、それともけなしたいのかどっちなのかしら… まぁいいわ…とりあえず春と山田君の話で私がどうすべきかは分かった。 私がやるべき事は…いつも通りにすることなのね!! 「皆さん席についてください」 ガラガラというドアと共に入ってきたのは白髪の小柄なおじいちゃん。背中もちょっと曲がってるし… 「香緒、また後でね♪」 春は片手を軽くあげて可愛らしくバイバイというと自分の席へ戻っていった。他の生徒もゾロゾロと自分の席へ戻り、私の前にはショートカットの黒髪をしたおとなしそうな女の子が座った。 ―ラッキー! 目の前の子からは私と同じ匂いがするわ! なんで分かるかって…直感?春や山田君はハッキリ言って朝の件で興味持って話しかけてきただけだろうし、どちらかと言えば私とは縁のないタイプだわ…あの可愛らしい男の子と格好良い男の子の組み合わせってのはヨダレものだけどね… 「え~、皆さん。私はこのクラスを担当する渡辺源蔵(ワタナベゲンゾウ)と言います。」 目の前の子とどう話そうか考えているとおじいちゃんは自己紹介を始めた。クラス担任って…もう明らかに定年迎えてるんじゃないの?この人… 「歳は……あ~…45才で、教科の担当は体育です」 絶対嘘だ…… クラス中が思ったに違いない… 「みなさん今年一年、よろしくお願いしますね」 ニコリ…と笑ったその顔は水戸黄門を思わせるほどのシワシワ仏フェイス。 「さて、これから体育館へ集合して入学式を執り行いますから、席順になってください」
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