枯れた華

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「結婚するのは咲奈だけだ。」 と、彼は言うけれど、段々私には迷いが生じてきた。   「医者になる。」と夢は立派だが、現実はバイト三昧の彼。 勉強しているとは言っても、いつ どこで?という位に遊び歩く彼。   夢を見るのは素敵だけど、現実の世界にいる私には、ただの絵空事にしか聞こえなかった。 結婚を考えるなら…、本当に医者になりたいのなら…、こんな呑気な毎日を送ってる場合じゃないじゃない。 と、イラ立ちを覚えた。   間を置かずに返ってくる彼からのメール。 昔はそれだけで嬉しかったのに…今は返信する文字も減った。   人の愛情は3年というけれど… 私はもっと早く枯れそうだった。   晴れた朝。   彼の家へと車を走らせる。 昔はもっと早く会いたいとスピードを上げたが、今ではのんびり彼の家の近くの海辺をドライブしながら進むようになった。   庭に車を停め、ケータイで連絡する。 私が着いたのを確認すると、彼が玄関の扉を開く。   「遅かったな。上がれよ。」   笑顔の彼。   嫌いなワケじゃない。好きなんだと思う…。 ただ…愛情じゃないだけだ。 彼とは別れられない。 別れたくないのだ。   私は、彼に依存してた。 私の秘密を知っても、私の元を去らなかったから…。
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