第一話 出逢

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幼い子を扱うような男の人の態度にさらに苛立ちが募る。 あぁ、朝からなんか嫌な感じだなぁ。まぁ、運んでくれたから良いけど。 男の人は改札を出て、側の柱付近にキャリーケースを丁寧に置いた。 凛明はキャリーケースの男の人とは逆側に回る。 「ありがとうございました」 凛明は頭を下げた。これで難関は越えた。 「どういたしまして。家近いの? 一人で大丈夫?」 はい? この人、どういうつもりなの? もし、駄目だって言ったら、運ぶつもり? 下心? 優しさ? ただの馬鹿? 「いえ、彼氏が迎えに来ますから。今、向かってるそうです」 凛明は少し強めに言った。彼氏がいる女に、男はそれ以上入り込まない。そう言うものだ。  男の人は何か納得したように頷いて笑った。 「そっか、それは良かった」  そして、売店に向かう。
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