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驚いて振り向く。声の主はもちろん女の子。
「やっぱり手伝ってもらえませんか?」
少し機嫌が悪そうなのは気のせいだろうか。でも、女の子の力になれるのだから、良しとしよう。
「はい、畏まりました」
瞳矢は笑いながら、今降りて来た階段を登った。
無理なら最初から言えば良いのに。
キャリーケースを持ち上げて、瞳矢は一人で下までゆっくり降りた。
女の子はその後をついてくる。
「どっち?」
キャリーケースを一度置いて、出口を尋ねる。
「……南口です」
相変わらず不機嫌そうな女の子。理由などわかるはずもない。
可愛い子はどんな表情でも可愛いな。でも、なんで不機嫌そうなんだ? なんかしたかな?
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