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意外と東京も寒かった。駅のホームに降りた凛明は、辺りを見渡す。眠らない東京も朝はこんなに静かなのか。人はチラホラと見えるだけだ。六時半、無理もない。
それにしてもこれ、重いなぁ。なんでわざわざ出発の日にこんなに持たせるのかな? 何とか電車の乗り降りは出来たけど、この駅、エスカレーターなかったんじゃなかったかな。
すぐ左に階段があるのが見える。だが、それ以外には見つからない。
凛明は重いキャリーケースを転がしながら、階段の前までやってきた。
あー、階段長い。これ、降ろせなさそう。駅員さんに頼もうかな。
自分の腰より大きなキャリーケースの上にポンと手を置いて、凛明は階段を睨みながら考えた。
「良かったら、手伝おうか?」
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