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「んー、よくわかんない」
困ったように、彼女は笑う。
「だって、非現実的だもの」
言いながら、先ほど彼女がいれた紅茶を一口啜る。
かちゃり。静かにカップを皿の上に置き、僕のほうを見てゆっくり微笑む。
「あなたは、世界が終わるときどうするの?」
急に問われると、何も浮かばないものだ。
世界が終わるとき…。
特に考えもせず、僕は彼女に問いかけ、答えを待った。
色々と考えると、一つの答えがふと浮かんだ。
「きっと、こうして、今みたいにくだらない話をすると思うよ」
ありきたりかな、と付け足し、僕も彼女と同じく微笑んだ。
あっはっは、と声を出して彼女は笑った。
「素敵じゃないの。貴方らしいわね。じゃあ私も、そうやって過ごすわ」
あんまりにも直球に感情を出す彼女。なんだか照れ臭くなる。
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