0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
優しい風が吹く
この場所で
最期の時を交わした。
キミを
想うｺﾄは
ないでしょう。
キミが
ボクを想うｺﾄも
ないでしょう。
小さな石ころに
つまづいても
手を取り合っていたのに
ボクは
弱くて小さくて･･･
キミの冷えた手を
あたためられないでいました。
キミが笑っていてくれるだけでよかったのに
キミの笑顔が好きだったのに
奪ったのは
ボク自身でした。
優しい風が
吹くこの場所で
最期の時を交わした。
ボクを
想うｺﾄは
ないでしょう。
ボクが
キミを想うｺﾄも
ないでしょう。
キミの空は
青く透きとおっていますか？
見上げれば
青空が広がり
とても美しいです。
キミの心には
何が
うつっていますか？
ボクと見た
青空は
残っていますか？
今でもキミを
『愛しています』
ふたりが始まった
この場所で
最期の時を交わした。
想い合うことは
ないでしょう。
ふれた手が
震えているのを
気がつかないフリをしました。
キミも
ボクの最期の強がりに
気がつかないフリをしていました。
「サヨウナラ」
最期の言葉
去ってゆく
後ろ姿は
美しかったです。
ふれるｺﾄを
許されないボクには
何ができますか？
キミは つよい人でした。
キミは 優しい人でした。
キミは 大きな人でした。
でも
弱い人でした･･･。
優しい風が吹くこの場所で
最初のコメントを投稿しよう！