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そんな生活を3ヵ月ぐらい過ごした後の春休みはというと………実はあまり変わらなかった。
ただたんに、学園にいかなくなった分、人類最強の腐女子を二人も相手していたためある意味、自己防衛技術が達人の領域まで発達したぐらいが春休み中に起きたことだろ。
嘆かわしい。あぁ嘆かわしい。
そんなことをすっぽりと覆うぬくぬくした毛布と、ふんわり柔らかに身体を受け止めて包み込んでくれるシーツは、まるで赤子を抱く母の腕の如く、優しい領域にとどめてくれていた。
……しかし。
「あっきーくん、おはよう」
そう。そういった時間が長くは続かないのが、世知辛い世の中の決まりである。
特に秋仁の身の回りではそれが目立つ。
「んー………んん……」
「起きてる?起きてよあっきーくん!!朝だから!!」
怒号のように激しい声と共に――――腹部に叩き込まれる突然の衝撃。
「おぐぇっ!?」
奇妙な呻き声を漏らす秋仁。
だが何が起こったのか――と混乱することは無かった。
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