去らば日常

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「……楓、朝早くからなんだいったい?」 「早くないよあっきーくん。優恵さんが起こしてきてっていったから起こしにきたんだよ。それともなに、あっきーくんの朝ご飯………食べていいかな?」 ベットの上、しかも馬乗り。見方によっては激しく赤面せざる得ない体勢で天然少女こと楓は満面の笑みである。 同じ高校二年生になった幼馴染みである楓にこの暴挙をやめてくれと秋仁は頼み込んだことがある。 その時の楓は……… 『わ、私の生きがいを奪わないで』 と、二重の瞳から大粒の涙を流しながら拒否した。 その時の秋仁があたふたしたのは言うまでない。 「……いいからはやくどけてくれ。じゃないと俺の命が危うい」 焦りながら楓をどかそうとする秋仁。 なぜかって? それは、大きな音をたてて迫りくるもう一人の腐女子……もとい、義理の妹の攻撃を回避するため必死だからである。 「え~どうしようかな。あっきーくん最近、かえでに冷たいし」 そんな馬鹿な子発言をしてる楓と身を守るため必死に説得している秋仁をよそに、無情にも部屋のドアは開いた。 「な、なにをしてるですか兄さんと楓さん!!!!」 小柄な少女は手にしていた竹刀を上段に構えて力一杯、容赦なく振り下ろす。 楓は難なく避けながらベットを降りた。 そのため、振り下ろされた慈悲なき竹刀の矛先は秋仁の腹部となった。
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