去らば日常

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秋仁は大事な朝食を食った悪魔の横に移動して、顔をこっちにむけてこめかみを拳でがっちりと固定する。 いわゆるグリコの態勢だ。 「テメーなにか、そんなに俺をいじめて楽しんでるのか?朝から毎回、いじめて楽しいかえぇこら!!」 「痛っひ!やめてグリコやめて」 悪魔の悲鳴がリビングに鳴り響く。これも毎朝くりひろげられていることである。 その横で桃香は紅茶を飲干し、席を立って時計を見た。 「……兄さんと楓さん、そんなにのんびりしててもいいんですか?」 「「はい?」」 つかさず秋仁は時計を見る。時刻は8時をさしていた。 秋仁達が住んでいるマンションから私立青坂学園は歩いて20分くらいかかる。 つまりはアウト? 「やべ、まじでやばい。また楓をかまってたらこんな時間じゃねえか。ほら、いくぞ楓。ありがとな桃香」 「あっきーくんの人でなし~!!!」 「どういたしまして兄さん」 「いってらっしゃい秋仁と楓ちゃん」 優恵と桃香はのんびりしながら、秋仁は楓の手を引っ張りながらリビングを後にして玄関前に置いていた通学鞄をとり、家をあとにした。 さぁここから、秋仁の死のチキチキレースの開幕である!
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