激突姫路城

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凄まじい数の大船団が神戸湾に押し寄せた。 幸村と宗茂は直ちに迎撃の体制を整える様に秀頼にその旨を伝えた。 幸村は想定外の徳川方の動きに流石に舌を巻いた。 退けば姫路城は遠のき、徳川方は体制を立て直し西進するに違いない。 姫路城へ進軍すれば本陣は挟み打ちに遭い退路は絶たれる。 幸村が出した苦肉の策は… 11万の軍を三部隊に分ける事だった。 先ず第一部隊は、二万の兵を与え… 黒田長政、池田輝政の、抜け道から姫路城を攻める部隊。 第二部隊には四万の兵を与え… 島左近、島津家久、後藤又兵衛、鍋島勝茂の正面より姫路城を攻める部隊。 そして秀頼を筆頭に真田幸村、立花宗茂、真田大助、可児才蔵の本軍、五万の兵で九鬼、加藤水軍を迎え打つ作戦だ。 秀頼は号令を発し、諸将は配置に着いた。 後藤又兵衛、鍋島勝茂は姫路城の大手門を攻め始めた。 又兵衛の策で部隊総出で松平忠輝を散々罵った。 『タヌキの妾の馬鹿息子!』 部隊総出で笑い罵り… それを兵卒から聞いた忠輝は流石に頭にきたらしく… 藤堂高虎ら名将が制止するのも無視して… 凄まじい形相で大手門に行き… 『開門じゃ!この様な辱しめを受け、父上に会わす顔無し!突撃じゃ!』 阿修羅の如く怒った忠輝は又兵衛と勝茂の軍を散々に撃ち… 勝ち誇った忠輝は豊臣軍を深追いしていた。 そして… 又兵衛と勝茂は急に足を止めた。 忠輝は何か策ありと見て、急いで引き返そうとしたが… 後方には左近と家久が前方には又兵衛と勝茂が… 忠輝は血気にはやりまんまと敵の罠にかかってしまった。 万事休す… その時! 『藤堂高虎見参!忠輝様ぁ!御無事でござるか!』 藤堂軍が忠輝の救出に現れた。 すると又兵衛は… 『忠輝は逃がせ!狙うは藤堂高虎のみ!突撃じゃあ!』 両軍入り乱れての大乱戦。 忠輝は浅はかな自分自身を恥じながら、方々の体で姫路城へ帰還した。 高虎は又兵衛、勝茂、左近、家久の四名を相手に未だに大奮戦。 何より藤堂隊はよく鍛えられ、その強さは豊臣軍の士気を上回っていた。 流石は秀吉にその人ありと讃えられた名将だ。 ラチがあかんと見た島左近は… 『高虎よ!このままでは貴殿も死を待つのみ!ここは男らしく、馬上にて一騎打ちを所望致す!』 高虎は立ち止まった。
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