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「う~……朝、か~」
裕二はケータイのアラームの音で目を覚ます。
「おっはよ~裕ちゃ~ん」
「うわっ」
さっき起きたばかりなのに、茶色の弾丸にベッドに押し倒された。
「はぁ、どけてくださいよ佳奈恵さん」
「え~、やだ~、それにお母さんだよっ」
裕二に突撃した張本人、頬を膨らませているのは“神谷佳奈恵(カミタニカナエ)”裕二の母親なのだが
「♪~♪~」
胸に顔を擦りつける仕種や、かわいらしい容姿のせいで全くそう見えない。
だが35歳を越えた今でもその美貌やスタイルは衰えず、人気絶頂とはいえないがモデル業を続けているのだから驚きだ。
「その、早くどけてくれませんか?」
佳奈恵の大きな胸が、裕二のお腹辺りで激しく自己主張するので裕二は顔が真っ赤だ。
「う~ん?裕ちゃん照れてるの~?かわいいよ~」
更に強く抱きしめられてしまう裕二。
佳奈恵の長い茶髪が首に触れるのが少しくすぐったい。
「やっ、やめてくださいっ、恥ずかしいですよ!!」
元々真っ赤になっていた裕二の顔は更に赤く染まり、どんどん頬が熱くなる。
「えへへ~気持ちよかったよ~」
しばらくして満足したのか、裕二を離して余韻に浸っている佳奈恵。
裕二はため息をついてから立ち上がり
「それじゃあ二人を起こしてから下りますね」
「は~い。じゃあお母さんは先に下りて準備してるね~」
裕二と佳奈恵はそう言って、部屋の前で別れた。
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