世界暦3533年

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『起きて下さい』 『起きろ~』 誰かの声が聞こえた。 一つは落ち着いた少女の声 一つは元気そうな少女の声。 元気そうな方には、聞き覚えがある。 ジンはユックリと目を開けると、そこは真っ暗な空間だった。 しかし、自分の手足はハッキリと見える。 ただ暗いだけでは無い様だ。 (ここは‥。確か、俺は消えて…) ジンは自分の体を触ってみる。 とても冷たい。 「これが、死後の世界ってやつか…。漸く‥、休める訳だ」 『それはどうかな』 声がした瞬間、突然視界に人の顔が入ってくる。 ジンは驚いて、上半身を飛び起こした。 『お~、期待通りの反応』 『姉さん‥。趣味が悪い』 そこには二人の少女が立っていた。 どうやら双子の姉妹の様だ。 その内の一人には、見覚えがあるが思い出せない。 『よ!、お兄さんお久しぶり』 「…誰だ?」 『あ、そっか。下界の時と服装が違うから解らないね。チョット待ってよ…』 少女は髪の毛を少しいじり、両手で髪を押さえる。 その姿に、ジンは漸く思い当たる人物を思い出した。 「アクセサリー屋の…」 『リング、役に立ったみたいだね。私の名前はフギ。こっちは妹のムニ』 『以後、お見知りおきを』 フギは髪を戻して、ジンの手を掴む。 『じゃぁ、行こうか』 「「行く」って、何処に?」 『姉さんに付いて行けば解ります』
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