71人が本棚に入れています
本棚に追加
『起きて下さい』
『起きろ~』
誰かの声が聞こえた。
一つは落ち着いた少女の声
一つは元気そうな少女の声。
元気そうな方には、聞き覚えがある。
ジンはユックリと目を開けると、そこは真っ暗な空間だった。
しかし、自分の手足はハッキリと見える。
ただ暗いだけでは無い様だ。
(ここは‥。確か、俺は消えて…)
ジンは自分の体を触ってみる。
とても冷たい。
「これが、死後の世界ってやつか…。漸く‥、休める訳だ」
『それはどうかな』
声がした瞬間、突然視界に人の顔が入ってくる。
ジンは驚いて、上半身を飛び起こした。
『お~、期待通りの反応』
『姉さん‥。趣味が悪い』
そこには二人の少女が立っていた。
どうやら双子の姉妹の様だ。
その内の一人には、見覚えがあるが思い出せない。
『よ!、お兄さんお久しぶり』
「…誰だ?」
『あ、そっか。下界の時と服装が違うから解らないね。チョット待ってよ…』
少女は髪の毛を少しいじり、両手で髪を押さえる。
その姿に、ジンは漸く思い当たる人物を思い出した。
「アクセサリー屋の…」
『リング、役に立ったみたいだね。私の名前はフギ。こっちは妹のムニ』
『以後、お見知りおきを』
フギは髪を戻して、ジンの手を掴む。
『じゃぁ、行こうか』
「「行く」って、何処に?」
『姉さんに付いて行けば解ります』
最初のコメントを投稿しよう!