世界暦3533年

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フギは唖然としながら口を開け、ムニの顔を無言で見る。 『姉さんは説明等は苦手ですからね』 『うぅ…。馬鹿にされてる気が…』 「いや、馬鹿にされてるぞ」 柱の前まで来て、それが建物だと言う事が解った。 「デカイなぁ、屋上が見えないぞ」 近くで見ると、より一層巨大に感じる。 建物と言うよりも、壁に近い。 どうやら、人が住む為の物では無い様だ。 『御苦労』 声がしたので顔を前に向けると、純白のスーツに、背中に羽の生えた男が立っていた。 男はジンを見るなり、あからさまに嫌な顔をする。 『…この男が今日の『罪人』ですね?』 「ざっ、『罪人』って…」 ジンは少しムッとし、小さな声で文句を呟く。 『…やりなさい』 男が指をならすと、ジンの両脇に武装した天使が二人現われ、ジンを押し倒す。 ジンは驚いて抵抗したが、二人掛かりでは振り解けない。 「いきなり何だよ!」 地面に押し付けられた顔を無理矢理上げ、ジンは男を睨み付けた。 『お前の様な危険人物には、これ位当たり前だ。…連れていけ』 男の合図で、ジンは両手に手枷を付けられてから立たされる。 そして引き摺られる様に、奥の扉へと連れていかれた。 『チョット、どう言う事!』 フギはその場を後にしようとする男の前に立ち塞がり、指を突き付ける。
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