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『私は上の命令に従っただけだ』
『おかしいですね。私達は『全能神』様に彼を連れて来る様言われています。貴方に拘束の権利は‥』
『私は『冥王』様に勅命を受けています』
『冥王』と聴いた瞬間、フギとムニは苦々しい顔をしながら押し黙ってしまった。
『理解出来ましたら、そこを退いて下さい』
男は鼻で溜め息を吐き、二人の間を通り過ぎていった。
ジンは椅子に座らされ、更に足を縛り付けられる。
完全に身動きが出来なくされた。
(ここまでするかね)
ジンは呆れを通り越し、椅子に寄り掛かった。
彼の目の前には、巨大なテーブルに椅子が置かれている。
どう見ても、人の使う様な大きさでは無い。
次に上を向いてみた。
宙に浮かぶ沢山の半球体の乗り物に、天使が一人ずつ乗っている。
その全てが、ジンを見下ろしていた。
『これより、『罪人』ジン=ジェネスの『神判』を始める!。神判長『閻魔』様。入廷!』
隣に立っている兵士が大声で叫んだ瞬間、室内の空気が変わる。
ジンもそれを感じ、自然と背筋が伸びた。
突然、右側の扉が勢い良く開いたかと思うと、椅子が飛び上がる程の地響きがしだす。
一定間隔のそれは次第に近付き、ジンの背後で立ち止まる。
ジンは恐る恐る後ろを振り返ってみた。
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