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「…うれしい。」
え?
「何が嬉しいの?」
意味が解らない。
即座に聞き返した私に彼は、
運転席でハンドルを握りなおしながら言った。
「誰にも言えなかったことを、俺に打ち明けてくれて嬉しい。
ありさの知らんかった部分を知れたから、
ありさをもっと知れたのも嬉しい。」
って。
ああ
この人は
一体何回私を泣かせれば気が済むんやろう。
でも前に「もぅ泣かへん。」って
約束してたから
トシには顔が見えんように
私は顔を精一杯窓側に向けた。
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