3月7日

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「…うれしい。」 え? 「何が嬉しいの?」 意味が解らない。 即座に聞き返した私に彼は、 運転席でハンドルを握りなおしながら言った。 「誰にも言えなかったことを、俺に打ち明けてくれて嬉しい。 ありさの知らんかった部分を知れたから、 ありさをもっと知れたのも嬉しい。」 って。 ああ この人は 一体何回私を泣かせれば気が済むんやろう。 でも前に「もぅ泣かへん。」って 約束してたから トシには顔が見えんように 私は顔を精一杯窓側に向けた。
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