1.薔薇学園

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 「きゃっ!?」 「うおっ!?」 心は誰かにぶつかり、段ボールの中身をぶちまけてしまった。 「いたた…。あー!画材道具がっ…」 心はすぐさま体勢を直し、散らばってしまった絵の具やデッサンチョーク、キャンバスノートを拾い始めた。 そんな心に、鋭い視線が向けられる。 「おい…俺様に何か言う事あるんじゃねぇのか?」 鬼のような形相で睨まれた心は一瞬なんの事だか分からなかったが、すぐに理解する。 「あっ、あの…ぶつかって、すみませんでしたっ!!」 勢い良く体を90度に曲げ、頭を下げた。 と同時に、抱え込んでいた画材道具を座り込んで睨み付けていた男の上に見事に落とした。 バサバサバサッ 「あ……」 「……………………」
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