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…確かに世間一般の者から見れば、誰もが見とれてしまう程のかっこよさ。
ここに通う女生徒はいつもキャーキャー騒いでいる。
しかし心は全く興味が無かった。
「はぁ~いつ見ても派手ですねぇ。私にはついていけません…」
心はまた溜め息を吐くと、我関せずといった様子でそそくさと自分の教室に向かった。
―心が教室に入ると、黒板にはでかでかと、
“本日 薔薇の日により、午前中授業”
と書いてあった。
「またですか…。けど、丁度良かったです」
“薔薇の日”とは私立薔薇学園の特殊な日で、理事長の気紛れでなる日である。
これは、理事長が権限で決める事で、いつなるか誰も分からない。
また、理事長はこの学園を建てた人なので、誰も文句は言えず。という訳だ。
しかし、心は、この“薔薇の日”というものが気に入っていた。
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