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>元来た道を戻る
>中央ゲートから南に抜けステーションビルに続く通路を歩いて行く
>優が、上司に連絡を入れ局のブレインをバンカーラインの隣に在るカルチャールームに集めていた
「それで?」
「うん。ズミさんに"時間を遡る魔法"をお願いしたの」
「でも、使用者ならコンピューターで解るじゃない。何故そんな手間を掛けるの?」
「何か…分からないんだけど"何かが変"だと思えて…」
「機械のどこかが?」
「"機械の"なのか"データ"なのか…。事故と言い切れれば楽なんだけども」
「まっ、確かに"そうそう起こらない事故"だわね」
>装置は、愛が使用することを予測していたかのように起動したのだ
>彼女は、過去の体験も有って予防作を用意している。首に下げられたスペースシャトル型のペンダントに移動停止プログラムをセッティングしていたのだ
>もしも、コンピュータージャックされたとしても、停止プログラムが発動する
>その時、誤作動で別の使用者が送られて来る可能性が有った。確率は低いものだったが、その場合の生還率を考えるとそれ以上のセッティングが難しい
>さらに、事故で転送を関知しても装置は反応してしまう
>そのことを、誰かに知られていたとしたら…
>彼女の装置を利用して、何者かが次元管理局を破壊もしくは占領しようとしていたとしたら?
>愛の心の片隅に、過去の事件が甦る
>もしかしたら"ズミが飛ばされたのは故意かもしれない"と思える
「ズミが犯人」かもしれない…?とも考えられた
>愛が先頭を歩いていた。後ろを優とズミが並んで続く
「…時限付きの発動」
>優が、ズミの顔を下からのぞき見る
「どうしたの?」
「うん?…愛さんの話しを思い返していたんだけど"似てるかな"って」
「それってどんな話?」
>足を止める。振り返った愛とズミの目線が出会う
>彼女は、小首を傾げてから同意の印しに頷いて見せた
「彼女の幼なじみがバンカーラインで飛ばされた話。知ってる?」
>頷く優に続けて…
「その時、時限付きでバンカーラインが使われたっていうじゃないか」
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