折れた翼

2/5
前へ
/174ページ
次へ
…俺に戦う力があれば…    …いや… …きっと何かある! 恭介と連絡が途絶えて早くも一週間。身支度をすませ単車にまたがる。 「………お兄ちゃんどこにいくの?」 胸元のポケットから不安そうな声がする。 「恭介がきっと大阪で戦ってる。俺にも何か出来る筈だ!」 「む、無理だよ!?ここはリアルなんでしょ?確かリアルはお兄ちゃん戦えないって…」 「それでも…出来る事はある筈だ。」 戦闘だけが戦いじゃない。力が無くても出来る事は…。 「あぶないよ…」 「どこにいても危険は変わり無い。ヤマトも確実に俺の前に…」 「良い読みだレクイエム。」 突如後ろから声がかかる。 単車から咄嗟に飛び降り距離を取る。そこに居たのは… 「………マサシ!?」 「何を逃げる…今のお前なんざ不意を付かなくとも殺せる。」 反論出来ない。本当なんだろう。俺を殺す事は…じゃあ…コイツは… 「何の用だ!」 「ふっふっふ…翼は折れても心の剣は折れないか。」 腕を組み薄ら笑いを浮かべるマサシ。 「そらっ、受けとれ、ヤマトからのプレゼントだ。」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2982人が本棚に入れています
本棚に追加