死して尚断ち切れぬ鎖はいずこへと~3‐崩壊~

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おふくろも死ぬ。そんな考えたくも無い状況が今、操の目の前で現実になろうとしている。 その瞬間、操の中の何かが一瞬にして崩れていく様な気がした。同時に操は顔面蒼白になり、まるで何を話しても反応しない人形と化した。 「おい……!お前の母さんが……!」 必死に呼び掛ける幸平は瞳を潤ませ、焦りの表情も垣間見せた。 「何してんのよ、あんた達!」 突如として幸平の耳に入り込んで来た声の主は、聞くなり直ぐに女性と分かるであろう、そんな透き通った声だった。 幸平がずっと操を揺らし続けた掌は汗まみれで、緊張と恐怖が入り交じりプルプルと震えていた。 微動だにしない操の腕からようやく手を離した幸平は、背後にその目線を向けた。 涙ぐむ瞳に映ったのは、見た目20代前後だろうと思わせる程、容姿端麗なスーツを着た短髪の女性がこちらを見つめている姿だった。 女性は二人を飛び越え、真っ先に倒れている操の母親の元に向かい、慣れた手つきで手首やら首を触った。 「もう駄目ね……」 そんな言葉が聞こえてきたのは、ほんの数秒後の事だった。女性は手を合わせ、祈る様に目を閉じた。 「生野……!」 聞き覚えのある声が現場に響き渡った。物凄い勢いで飛び込む様に現れた小谷は一瞬、こちらに目を向けたが直ぐに女性の元に向かった。
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