死して尚断ち切れぬ鎖はいずこへと~1‐訃報~

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幸平の威勢の良い声が職員室に響き渡る。 その目線の先には担任の[森岡 敬二(けいじ)]が二人を見つめ、深々と椅子に座っていた。 「操、早くこっちに!」 大きな手に手招きされるように、操は敬二の前に立った。 「何ですか? 先生」 何がなんだか分からない操は元気の無い声で呟いた。だが急に隣から何か押し付けられている様な感覚を覚え、顔だけ向きを変えた。 隣を見ると、幸平が何か鞄を渡す様に自分に押し付けていた。 幸平はいつもの表情を取り戻し、操を優しい瞳で見つめていた。 「ありがとう、幸平」 二人はハイタッチをした。 敬二は突然、操の肩をがっしり掴み、声を大にして叫んだ。 「今……お前の家から連絡があって……とにかく早く帰るんだ!」 「……へ? 」 とぼけた声を出す操を敬二と幸平は、職員室の入口から勢いよく押し出した。 二人の真剣な表情を見た操は、軽く頷き急いで帰路についた。 「ふぅ……」 息を吐き、再び自分の椅子に戻る敬二に幸平は尋ねた。 「先生……操の家どうしたんですか? 」 「ちょっとな……」 敬二は深いため息混じりの声を出した。 幸平は、そんな敬二を疑念の目で見つめていた。
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